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2017年7月29日 (土)

損保ジャパン日本興亜美術館・吉田博展

損保ジャパン日本興亜美術館で開催されている「吉田博展」を見てきました。

吉田博は明治9年久留米に生まれ、福岡の図画教師、吉田喜三郎に画才を見込まれて吉田家の
養子となり、上京して画塾、不同舎に入門し、「絵の鬼」と呼ばれるほど写生に打ち込みました。
水彩で、油彩で、木版画で、国内はもとより世界各地の風景を描いた作品が日本やアメリカ、ヨーロッパで
大好評を受けました。

展覧会では初期から晩年までの200点の作品が展示されています。
チラシと図録から一部ご紹介します。

001 002
吉田博展 チラシ                         チラシ裏

(不同舎の時代)

003 004
花のある風景                            冬木立
水彩 紙 32、8x49、4cm                  水彩 紙 50、6x66cm

005  雲叡深秋 油彩 カンバス
111x68、2cm  断崖の渓谷を流れる川が見事に描かれています

(外遊の時代)

明治26年にフランスから帰国した黒田清輝と久米桂一郎は、フランスで学んだ外光表現による滞仏作品を
発表して、熱狂的な歓迎を受け、白馬会の結成に繋がります。
これに対抗して明治32年に吉田博は中川八郎とアメリカに出発します。
この時、デトロイト美術館のグリフィス館長は二人の絵の質の高さに驚き、展覧会開催を申し出ました。
展覧会は大成功を収め、絵の売り上げは驚異的なものでした。(小学校教諭の13年分)
翌年はボストン美術館で展覧会を開き、デトロイトの倍以上の売り上げを手にしました。


006  鳥居の下の人々、花咲く日本の村
水彩 紙 

007 008
グロスター  油彩 カンバス                 ポンシデレオン旅館の中庭
ボストン郊外の芸術村                     水彩 紙  フロリダのホテル

009 010
ウインザー橋  水彩 紙                    ヴェニスの運河 油彩 カンバス
48x32、7cm                           39、5x50cm
ウインザー城が雨に霞んで描かれています

(画壇の頂へ)

帰国後、活気が失われた明治美術会を刷新し、太平洋画会を設立し白馬会に対抗します。

012 013
穂高山  油彩 カンバス                     富岳  油彩 カンバス
108、5x137cm                          45、6x60、3cm
本格的な登山をして描きました                  雲がかかる富士山と湖

011 014
池の鯉  油彩 カンバス                     バラ(5) 油彩 カンバス
112x69、5cm                           149、8x76、6cm

(木版画という新世界)

写実的で精緻な、詩情に溢れた木版画を作成しますが、吉田博は下絵描きであり、彫師、摺師と共に
渡邊庄三郎の監修の下にありました。

015 016
帆船 朝日  渡邊版 木版 紙               帆船 日中 渡邊版
45、5x33、2cm                        45、5x33、2cm
瀬戸内海に浮かぶ帆船、背景を空と海だけで描いています  詩情あふれる絵です
同じ版木を使い、色を変える別刷りの方法で作成

017  グランドキャニオン 油彩 カンバス
45、5x60、6cm  グランドキャニオンを見ての感動が表現されています

018 019
モレーン湖 油彩 カンバス                   エル キャピタン 木版 紙
45、5x60、6cm                         37、4x25cm
                                  ヨセミテ渓谷 高さ1000mの花崗岩が圧倒的

渡邊版画店と袂を分かち、自らが版元となり、絵師となって創造の中核に座り、彫師や摺師を監修し、
「渓流」では彫りも自分で行いました。

020  マタホルン山 木版 紙 51x36cm
同じ版木を使って、マッターホルンの急峻な頂と、ふもとの村の昼と夜の景色を描きました

021 022
スフィンクス 昼と夜 木版 紙 25x37、2cm

023  黒部川  木版 紙

024 025
帆船 朝  木版 紙                       帆船 午前、午後 木版 紙
50、8x35、9cm  先の渡邊版、帆船と違い、自ら監修し、絵師となって堀師、摺師を指示し作成

026 027
雲井櫻 木版 紙 53、9x70、7cm             渓流 木版 紙 54、5x82、8cm
吉野山の桜                            水の流れや渦巻く水の複雑な動きがしっかりと
                                    表現されています

(新たな画題を求めて)

028 029
フワテプールシクリ(王宮) 油彩 カンバス         タジマハルの庭 昼 夜 木版 紙
60、6x45、5cm                         24、7x37、5cm
4度目の海外旅行 インドの王宮の精緻な装飾を      タージマハルで満月を迎えられるよう旅程を組み、
画面いっぱいに表現                       夜景も写生できました

030  陽明門  木版 紙 37、9x24、8cm
彫刻や複雑な構造を表すため、96度もの工程を経て完成

(戦中と戦後)

031  急降下爆撃  油彩 カンバス
137x108、3cm
日本軍の戦闘機の戦闘場面  大地が転倒する視界の緊張感

これらの他、沢山の水彩画、油彩画、木版画や写生帖、スケッチなどが展示してありました。
「絵の鬼」と呼ばれた吉田博の確かな、多彩な技術と才能、それを実行する意志に感動しました。

この展覧会は8月27日まで開催されています。

 損保ジャパン日本興亜美術館
     東京都新宿区西新宿1-26-1  42階
         Tel 03-5777-8600








                         




















               























 












 












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