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2017年5月30日 (火)

バベルの塔

東京都美術館で開催されている「バベルの塔」展を見てきました。

オランダのボイマンス美術館が所蔵する、ブリューゲルの「バベルの塔」が24年ぶりに来日しました。
又、奇想の画家ヒエロニムス・ボスの傑作2点とブリューゲルの版画及び15、16世紀のネーデルラント
地方の板絵もあります。

チラシと図録から一部ご紹介します。

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「バベルの塔」展チラシ                      チラシ裏

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チラシ中上                             チラシ中下

ネーデルラントの彫刻が展示してありましたが、こちらは省略します。
バウツのキリストの肖像からご紹介します。

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キリストの頭部 ディーリク・バウツ         アレクサンドリアの聖カタリナの論争 ヤン・プロフォースト
1470年頃 油彩 板                    1520年頃 油彩 板
慈悲深い真摯なまなざしのキリストに          キリスト教信者の王女カタリナは皇帝と50名の学者を
人々は祈りをささげました                  論破しました
バウツのキリストは多くの画家の手本になりました

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風景の中の聖母子 ヘラルト・ダーフィット    ヨセフの衣服を見せるポテパルの妻 ルカス・ファン・レイデン
1520年頃 油彩 板                    1512年頃 油彩 板 
授乳の聖母が花や背景の風景とともに      妻が夫にヨセフの衣服を見せ、ヨセフに乱暴されそうになり、
詳細に描かれています                  追い払ったと言うが、実際は妻が言い寄っても
                                 ヨセフに相手にされなかった
                                 夫は妻の言葉を真に受け、ヨセフを牢に閉じ込める
                                 画面左上の窓に連行されるヨセフ

009  聖クリストフォロスのいる風景 ヘリ・メット・デ・ブレス
1540年頃 油彩 板
巨人が幼子を肩に担ぎ、強風の吹く激流を渡ろうとしている
途中あまりの重さに巨人は杖にすがりつくが、幼子はキリストで世界の重荷を背負っているから
キリストは巨人に「クリストフォロス(キリストを担ぐ者)」の名を授けた
港に山並みの見える広大な風景の中に巡礼者や浜に打ち上げられた巨大な魚が描かれています

010  ヒエロニムス・ボスの肖像 ヘンドリック・ホンディウス1世
1610年 銅版画
背後の枠の中に怪物や悪魔などが描かれています

011  放浪者(行商人) ヒエロニムス・ボス
1500年頃 油彩 板
後ろ髪をひかれながら娼婦のいる家を去る行商人の男 中の女が「寄らないの」と男を見ています
男の衣服は破れ、靴の片方はスリッパ 背中の籠には商品、猫の皮や杓も

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部分拡大 白鳥の看板(娼婦の家のしるし)             木の上にはフクロウと鳥
籠に猫の皮と杓

ヒエロニムス・ボスは最も独創的な画家で、奇妙な、奇抜な表現が随所に挿入されています
そして宗教画を描くこれまでの画家と異なり、風俗画を描きました

012  聖クリストフォロス ヒエロニムス・ボス
1500年頃 油彩 板
巨人の担ぐキリストの重さに杖がしなっています  奇妙な絵を拡大してみます

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壺の中の小人が灯りをともしたランタンを枝に掛ける   蜂蜜を採る小人

2_007  木の根元に繋がれた狐の死骸

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男が熊を木に吊るしています                 ドラゴンと逃げる裸の男

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樹木人間 ヒエロニムス・ボス                 聖クリストフォロスの誘惑 作者不詳
1590-1610年頃 銅版画                  1561年 銅版画
樹木人間の胴の祠で人が飲み食いをしています     聖クリストフォロスの前に奇怪な魚や鳥や
手前に座る3人が樹木人間を指さしています       蛙のようなものなど、奇怪な世界が広がっています 

028  ピーテル・ブリューゲル1世の肖像 ヨハネス・ウィーリクス
1572年 銅版画

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聖アントニウスの誘惑 ピーテル・ブリューゲル1世   大きな魚は小さな魚を食う 
                                   ピーテル・ブリューゲル1世
1556年  銅版画                       1557年 銅版画
聖アントニウスは聖書を読んで(右下)全ての誘惑に  兵士が大きなナイフで魚の腹を切り開き、
打ち勝ちました                         小さな魚を取り出しています
                                   手前の船の父親が子供にこれを教えています 

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最後の審判 ピーテル・ブリューゲル1世         石の切除 ピーテル・ブリューゲル1世
1558年                              1559年
中央のキリストが人類に審判を下しています      頭から石を切除して狂気を治します
上部には天国に行く人々                  偽医者が頭から取り出した石を掲げています
中断右には地獄の巨大な口                石は机の下にあり、石を持つ男の口は南京錠で
中断左から審判を受けに無数の人々が行列      閉じられています

020  農民の婚礼の踊り ピーテル・ブリューゲル1世
1570-1572年頃

021  バベルの塔 ピーテル・ブリューゲル1世
1568年頃 油彩 板  59、9x74、6cm
近寄ってみると、コロッセウムを巨大にしたような建造物に入口や窓、クレーンや足場などが詳細に描かれ、
極小の人が無数に働いています
この絵の中になんと1400人もの人々が細密に描き込まれています
人の身長を約170cmとするとこのバベルの塔は高さ510mもあるそうです
まさに雲を突く高さです

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バベルの塔 部分拡大

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部分拡大
足場が無数に描かれています                漆喰を運んだ痕がついています
                                   人も真っ白です

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部分拡大
クレーンがありますが、当時は大きな車輪の中に    塔内に入る水路の入口にたくさんの船がいます
人が入って回していたそうです

ウイーン美術史美術館にもブリューゲルのバベルの塔があります。
こちらは 114x155cm で約2倍の大きさですが、このボイマンス美術館のバベルの塔の方がより緻密に
描かれているようです。

「AKIRA」などを描いた漫画家で映画監督の大友克洋氏が、原画を大胆に解釈した作品を発表しています。

029  INSIDE BABEL 大友克洋 デジタルプリント
90x110、5cm
バベルの塔に切り込みを入れた中央部分を新しい解釈で描きました
内部は空洞になっていて、塔の下には川が流れ、船が物資を運びます

大友克洋氏の「INSIDE BABEL」は都美術館の企画展示室入り口横ホワイエに展示してあります。

東京藝術大学のエントランスには3mを超える立体のバベルの塔が展示してありました。
これにプロジェクションマッピングが施され、塔の中を歩いている人々が見えます。

ブリューゲルの「バベルの塔」の壮大な構想と緻密な描写に圧倒されました。

この展覧会は7月2日まで開催されています。






































 










































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