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2016年7月 2日 (土)

府中市美術館・立石鐵臣展

府中市美術館で開催されている「立石鐵臣展」を見て来ました。

立石鐵臣は台湾総督府財務局事務官の父、立石義雄の4男として、1905年台湾に生まれました。
8歳の時、一家で日本に帰り、日野や鎌倉で青少年期を過ごします。
日本画を川端玉章の娘婿、跡部直治から学び、油彩画を岸田劉生、梅原龍三郎から学びます。
28歳から何度か台湾に行き、台湾の画家としても活躍しました。

チラシと図録から一部ご紹介します。

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立石鐵臣展チラシ                         チラシ裏
上部中央の絵は「春」

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チラシ中左                             チラシ中右


005 006
(カラスウリ) 1921年 16歳                 野菜図  1926年
36、2x28cm                           24、7x40cm

007 008
鎌倉風景 1926年                        風景 1926-35年

1933年(28歳)から1947年まで3度台湾に行き、台湾の画家、批評家、装幀家として活躍し、
台湾美術協会が創立される時、唯一の日本人として迎え入れられました。
1941年創刊の「民族台湾」に編集者として加わり、冠婚葬祭、民芸、歌謡、民間薬など様々な分野の
調査報告を発表しました。
この間の体験が1962年発行の「台湾画冊」に納められています。「民族台湾」の取材に立石の
生活絵日記が加えられています。

009  台湾画冊上巻 各15、7x10、7cm
上:第1図 FORMOSA
下:第2図 台湾田園風景

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第6図 市場の飯店                      第29図 挨粿(ウエケエ)
猪脚、鴨肉、魚など様々な食材が並ぶ           粳米を臼で引いて液体とし、袋で水分を
                                   絞って餅にする

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下巻第10図 真夏の露店の果物や              第22図 パイワン族木櫛、帽子
西瓜、パイナップル、瓜など                  櫛の模様は百歩蛇?の図案
                                    革製の帽子に漆絵

1945年日本の敗戦により、2年の留用期間の内に台湾での仕事を整理し、台湾から引き揚げます。
戦後、小金井、西大久保などに住み、1976年に狛江にアトリエを構えました。

020  カンクレージ(白牛) 1950年
91x117cm
永住を決めていた台湾から退去せざるを得なくなって落ち込んでいます。
白牛が疲れてうつむく張りの無い目が立石のやるせなさを表しています。

021 022
孤独(虚空) 1950年頃                     偽装驢馬 1951年
91、5x73、5cm                         91、5x73cm
故郷の喪失感が虚空となったようです            ライオンの皮を被り威張ってもすぐに
                                    ロバと見破られます

細密画

細密画は1939年台北帝国大学に招かれ、素木得一の下で昆虫標本図の描き方を学びました。

014 015
オオウラジロノキ 1968年                   種々の植物 1968年
30、9x20、5cm                         各30、8x20、5cm
                                   左上から時計回りに フサザクラ
                                   イロハカエデ、サワシバ、アルバアオダモ

016 017
ギフチョウ 14x18、7cm                   ギンヤンマ 13、5x16、8cm
少しピントがぼけてしまいました

018 019
タマムシ科 1965年                      コガネムシ科、クロツヤムシ科、クワガタムシ科
19、7x11、5cm                        1965年 19、7x11、5cm

装幀や挿絵もたくさん描きました。

027  ごんぎつね 1960年
新美南吉童話全集 ごんぎつね 挿絵
愉快な明るい絵で、読者を楽しませます。

最後に、立石鐵臣の人生の全てが凝縮されたような、代表的な3部作を紹介します。

024  月に献ず 1972年 146x113cm
油彩と細密画が結合しています。

025  春 1973年 145、5x112、3cm
下段中央は「ベリー公のいとも華麗なる時祷書」の3月(春)の図が描かれています。
下段左右の4枚のタロットカードには「空想好きで、困難にめげず、努力を惜しまず、感受性豊かな
画家でありたい」という立石の願いが表されているそうです。

026  身辺 秋から冬へ 1977年 162、5x97cm
これら3部作は、主体となるモチーフははっきりせず、デザイン図案のようにも見えますが、技法や
分野にこだわらず、自在に事物が画中に展開し、絵の前にいつまでも釘付けにされます。
これまでに見たことがない、心に触れる、印象的な絵です。

これ等の他、沢山の絵と挿絵、装幀本などが展示してありました。

台湾を愛した真摯な画家、立石鐵臣の絵を楽しみました。

この展覧会は7月3日まで開催されています。

 府中市美術館
     東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内
         ハローダイヤル 03-5777-8600

















































 











 

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