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2016年2月 8日 (月)

国立歴史民俗博物館・夷酋列像展

佐倉の国立歴史民俗博物館で開催されていた「夷酋列像展」を見て来ました。

「夷酋列像」とは、アイヌ(蝦夷)の指導者(酋長)12人の肖像画で、松前藩の藩士、蠣崎波響が
描いたものです。
鮮やかな色彩で、精緻に描かれた酋長たちの像は、見る者を圧倒するほどの異様な迫力があります。
この絵は大変な評判を呼び、天皇陛下(光格天皇)もご覧になり、多くの模写が行われました。

チラシと図録から一部ご紹介します。

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国立歴史民俗博物館                      夷酋列像展案内

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夷酋列像展チラシ                         チラシ裏

博物館の第3展示室に「夷酋列像」があります。

蠣崎波響の「夷酋列像」は松前藩と京都で描かれた2組が存在しますが、国内では一部と模写の作品が
存在します。1984年にフランスのブサンソン美術考古博物館が「夷酋列像」を収蔵していることが
報じられました。経緯は分っていません。
今回は最初にそのブサンソン美術考古博物館の「夷酋列像」が展示されています

008  マウタラケ
正面を睨み、両膝を立てて手を組み、ラッコの毛皮に座っています  足の指は反り返っています
口から下は髭で覆われ、太い眉毛がつながっています 目は白目の多い「三白眼」です
龍と炎が描かれた豪華な着物を着ています  異様な雰囲気ですね

009  チョウサマ
白髪の老人がアイヌの宝器「鍬形」(儀式に用いられる祭具)を持っています
龍と雲が描かれた外套のような着物を着ています

010  ツキノエ
大きな威風堂々とした酋長です  最も力があったという事です
刀を持って、熊の毛皮を敷いた椅子に座っています
龍が描かれた、赤い蝦夷錦を着て、その上に黒い外套を羽織っています 迫力がありますね

011  ションコ
横向きの白髪の老人の肖像です  刀を差し、威厳があります

012  イトコイ
槍を持って立つ武人のような図ですが、ギョロメで眉はつながり、髭が顎を覆ています
龍の図が鮮やかな着物を着て、赤い外套(ロシアの軍服)を羽織っています
蠣崎は同じようなポーズで、中国の英雄、関羽を描いています

013  シモチ
口に矢をくわえ弓を構えています  腰には捕えた鳥3羽を下げています
シモチは弓術に優れていたという事です
花柄模様の黒い着物を着て、その上に毛皮を羽織っています

014  イニンカリ
槍を持ち、白、黒2頭の子グマ(ヒグマ)を引き連れています

015  ノチクサ
大きな鹿の足をもって抱えようとしています  鋭い眼光の猟師に力が漲っています

016  ポロヤ
犬を引いて歩いていますが、犬は嫌がっているようです  幾何学模様の着物を着ています

017  イコリカヤニ
後ろ向きの像です  矢立をかつぎ、弓を持って振り向いています
獲物の鴨2羽を抱えています  弓の名手で、ツキノエの子供という事です
(この図はブサンソン美術館にはありませんでした)模写より

018  ニシコマケ
足で弓を押さえ、口にくわえた紐を弓に付けようとしています
唐草模様の青い服を着て、そばにアザラシの革靴があります

019  チキリアシカイ
唯一の女性  鮮やかな朝鮮毛綴の敷物の上に白い毛皮を敷いて座っています
女性でも目はぎょろりとして、龍の模様の茶色の着物を着ています
イトコイの母という事です

これ等の絵と共に、松前藩の家老、松前広長が表した序文、「夷酋列像序」(ブサンソン博物館蔵)も
あります。

この他、粉本や模本など多数展示してありました。

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「夷酋列像」粉本  蠣崎波響の下絵です

函館市中央図書館が所蔵する、蠣崎波響の「御見方蝦夷之図 イトコイ」と「同 ションコ」も展示して
ありました。

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夷酋列像図 上巻                        夷酋列像図 下巻

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蠣崎波響像 大西椿年                     関羽図 蠣崎波響 (参考)

第4展示室にアイヌの衣装や飾り物、刀、槍、弓矢などが展示してありました。

026  ジットク  龍の模様の着物
十徳は医者や儒者、茶人などの礼服を言うそうですが、アイヌの十徳風の着物を「ジットク」と
表しました。

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刀、刀掛け、槍                           鍬形(チョウサマが手にしている)、矢筒

029  弓、矢、矢筒

威容な、圧倒的な「夷酋列像」に驚きましたが、国立歴史民俗博物館の広さにも驚きました。
第1から第6までの展示室があり、原始古代から中世、近世、現代までの文化財や歴史資料を展示
しています。収蔵品は22万点にも及ぶとのことです。

第1展示室では復元模型ですが精巧な造りの土偶がありました。
国宝の「縄文の女神」、「縄文のビーナス」、「中空土偶」の他、沢山の土偶がありました。

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第1展示室の土偶像

この他銅鐸や三角縁四神四獣鏡などもあります。
第3展示室には体験コーナー、寺子屋「れきはく」もあります。
国立歴史民俗博物館はもう一度じっくり見たいと思っています。

「夷酋列像」展は昨年の九月から北海道博物館で展示が始まり、佐倉の国立歴史民俗博物館は
2月7日で終了しましたが、2月25日から5月10日まで大阪の国立民族学博物館で展示されます。















































































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