東京国立博物館・鳥獣戯画展
上野の東京国立博物館・平成館で開催されている「鳥獣戯画展」を見て来ました。
チラシと図録から一部ご紹介します。(展覧会は6月7日で終了しました)
チラシ表 チラシ裏
チラシ中 左 チラシ中 右
前期展では10時に並んで入館は20分待ち、高山寺伝来の至宝と明恵上人などを見て、第2会場の
鳥獣戯画、甲巻を見るのに1時間半待ちでした。
後期展では入館が1時間待ち、甲巻を見るのに2時間待ちで9時半に博物館平成館に並んだのに、
甲巻を見ることができたのは12時半でした。甲巻の後、残りは待たずに見ることができました。
覚悟していたのですが、さすがに大混雑でした。
鳥獣戯画は鳥羽僧正・覚猷(かくゆう)筆と伝えられてきました。
平安時代から鎌倉時代にかけて制作され、甲、乙、丙、丁の四巻があります。
いずれも約30cm幅の10mを超す巻物(丁巻だけ少し短い)で墨で描かれています。
よく知られている甲巻からご紹介します。
国宝 鳥獣戯画 甲巻
蛙が兎を投げ飛ばす 蛙が兎の耳にかみつく 法会 蛙の本尊 猿の僧侶
蛙の田楽踊り 猿を追いかける兎と蛙
左には蛙が倒れています 川遊び
乙巻 擬人化されてなく、動物図鑑的な絵です 後半には麒麟、虎、獅子など 犬の喧嘩
丙巻 前半は人物戯画(囲碁、双六、首引きなど)後半は動物戯画(山車、蹴鞠など) 蛙や猿や犬が踊っています
丁巻 人物画 法会や流鏑馬、木遣りなどが描かれています 人間の法会が描かれています
鳥獣戯画4巻から別れた断簡5幅も展示してありました。
断簡 鹿を追いかける猿
高山寺伝来の至宝、梵天、達磨、高僧像などもありましたが、明恵上人像と華厳宗祖師絵伝などを
ご紹介します。
明恵上人像(樹上座禅像) 国宝 拡大 左の折れた枝にリスがいます
紙本着色 145x59cm 明恵上人の目の高さに
明恵上人は1206年に高山寺を華厳宗の根本道場として再建しました。
山中の各所に住み、樹上、木の洞、石の上などで座禅を組みました。
赤松の木の二股の所で座禅している姿を弟子の恵日房成忍が描いたと伝わります。 仏涅槃図 重要文化財
絹本着色 202x179、5cm 仏眼仏母像 国宝
絹本着色 193、1x128、8cm
明恵上人が亡き母の面影を重ねました。像の前で自らの右耳を切り落とすという苦行も。 白描図 十二神将像
このような白描図が鳥獣戯画のもとになったのではないかと考えられています。
次は華厳宗祖師絵伝(国宝)を少しご紹介します。
新羅の国の華厳宗の祖、義湘と元暁の事跡を描く絵巻物です。
義湘は入唐して華厳宗の法を修め、帰国するときに彼に心を寄せる善妙が化身した龍に助けられて
華厳興隆の道場を建立することができました。
元暁は本国にとどまり研鑽し、「金剛三昧経」を読み解いて国王の妃の病を治します。
紙本着色で義湘絵が四巻、元暁絵が三巻です。 義湘と元暁が寝ている塚を鬼が覗く
龍になった善妙 海へ身を投げる善妙 龍になった善妙が船を運ぶ
これ等の他、善財童子歴参図、十六羅漢像や沢山の白描図像、更に神鹿、馬、狛犬などの木造彫刻
も展示してありました。
前期展、後期展共、それぞれ丸1日かかりましたが、まだ全部を見きれてはいないようです。
中身の濃い展覧会でした。
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