Bunkamura・ボッティチェリとルネサンス展
渋谷のBunkamuraで開催されている「ボッティチェリとルネサンス」展を見て来ました。
ボッティチェリは15世紀のフィレンツェでメディチ家の支援を受け、数々の名画を制作しました。
聖母子を描いた絵が多く、“聖母の画家”とも言われています。
Bunkamura ではフィレンツェの富と美に目をむけて、ボッティチェリを主体に展示しています。
チラシとポストカードから一部ご紹介します。
「ボッティチェリとルネサンス」展チラシ チラシ裏
絵は「ケルビムを伴う聖母子」 120x66cm 1470年頃
ふくよかな優しい聖母が描かれています。(キリストは少し太り気味ですが)
周りの奇妙な天使たちがケルビム(智天使)です。 フィオリーノ金貨
表にフィレンツェの百合の紋章、裏に洗礼者聖ヨハネの刻印があります。
金貨は1252年に初めて鋳造され、銀行業や交易などにより、フィレンツェ、ルネサンスの繁栄をもたらしました。
「ケルビムを伴う聖母子」の絵の額縁に金貨があります。 「聖母子と二人の天使、洗礼者ヨハネ」 1468年頃
「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」 径96、5cm
1477-1480年 これはトンドという円形の中に描いた絵です。
フィレンツェの銀行のローマ支店が贈り物として注文したものです。
ボッティチェリらしい優美で優しい聖母子の表現と、マリアの衣服の青が鮮やかです。 「受胎告知」 フレスコ 243x555cm
1481年頃 修道院の回廊の壁画です。
大きな画面に近寄って見ると、大天使ガブリエルからマリアに“光”のような線が伝わっていました。 「ヴィーナス」 1482年頃
「ヴィーナスの誕生」の絵にある「ヴィーナス」を描いたものです。
参考までにボッティチェリの傑作と言われている「ヴィーナスの誕生」と「プリマヴェーラ(春)」を挙げておきます。 「ヴィーナスの誕生」
「プリマヴェーラ(春)」
この頃がボッティチェリの最盛期で、金融業と貿易で繁栄したメディチ家の絶大な支援を受けていました。 メディチ家の紋章(ウィキぺディアより)
13世紀以降、ヨーロッパではたびたび奢侈禁止令が発せられていますが、15世紀になって修道士サヴォナローラが
台頭して「虚栄の焼却」を行うと、メディチ家が衰退し、ボッティチェリの作風も堅いものになってしまいました。 フラ・パルトロメオ 「サヴォナローラの肖像」 (ウィキぺディアより)
これらの他、貴重品入れや小箱、金庫、鍵、鏡、櫛などの工芸品や当時の為替手形なども展示してありました。
ボッティチェリの作品17点をはじめ、約80点を鑑賞しました。
この展覧会は6月28日まで開催されています。
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