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2015年2月 6日 (金)

横浜美術館・ホイッスラー展

横浜美術館で開催されている「ホイッスラー展」を見て来ました。

ジェームズ・マクニール・ホイッスラーはアメリカ人の画家で、欧米ではよく知られ、ジャポニズムの巨匠と
言われているそうですが、日本ではこれまであまり紹介されていませんでした。

ホイッスラーはマサチューセッツ州に生まれ、21歳の時、画家を志してパリに渡り、クールベに出会って、
写実主義に感銘を受けた後、ロンドンに移住します。
そこで絵画が旧来の慣習や道徳的な事を伝えるのを目的とするのではなく、「形態と色彩の美」を追求する、
「唯美主義」を目指します。
又、構図や画面空間、色彩の調和などに日本美術からインスピレーションを得て、独自のスタイルを確立し、
ジャポニズムの巨匠と言われました。

チラシとポストカードから一部ご紹介します。

008 009
ホイッスラー展チラシ A4 2枚折                チラシ裏
絵は「白のシンフォニーNo3」

010  灰色のアレンジメント:自画像
真摯に絵に向かう様子が見て取れます。

011  左 灰色と黒のアレンジメントNo2:トーマス・カーライルの肖像
静謐な画面、威厳に満ちた人物が描かれています。
灰色から黒に至る色の諧調と画面構成が良く調和しています。

右は ノクターン:宮殿「セカンド・ヴェニス・セット」より

012  右 ライム・リジスの小さなバラ

左は 肌色と緑色の黄昏:バルパライソ 部分

013  肌色と緑色の黄昏:バルパライソ
チリの港町、バルパライソを描いた絵です。
青みがかった、深い、多様な緑色の海と、紫色に輝く雲の間から射す陽光の元、たくさんの帆船が描かれ、
幻想的な風景です。(実は港がスペイン船に包囲されていた?)
この絵がリアリズムから唯美主義への転機になったとされています。

015  左 紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン
陶器に絵付けする、中国の衣装を身に着けた女性が描かれています。
染付の皿や壺、団扇など、“オリエンタルペインティング”ですね。
ランゲ・ライゼンは絵に描かれている東洋風のデルフト焼のことのようです。

右は トーマス・カーライルの肖像

016  白のシンフォニーNo2:小さなホワイトガール
白いモスリン風の衣服の描写が素敵ですね。透明感があり、柔らかそうですが、確かな質感があります。
青い陶器の壺、桃色の花、手に持つ青色の団扇などが衣服の白色を際立たせています。
唯、女性はどこか物憂げです。(女性は愛人ジョアンナとされています)

017  白のシンフォニーNo3
こちらもメランコリックな雰囲気や倦怠感が漂います。
白いソファーに白い衣装の女性を描いています。一人は輝くような純白の衣装、一人はベージュから
淡い黄色のグラデーションのある白。 メルヘンのような世界です。
どちらの女性も愛人ジョアンナと思われ、主題はなく、ホイッスラーが描きたいと思った形と色が表されています。

018  ノクターン:青と金色ーオールド・バターシー・ブリッジ
橋の橋脚部分を捉え、下から見上げるユニークな構図ですが、明らかに日本の浮世絵の影響が見られ、
歌川広重の「名所江戸百景」の「京橋竹がし」に想を得ているようです。
ここでも抑えた色調のグラデーションが印象的です。
青を基調とした単色的な色彩構成、その中に対岸の明かりと黄色の光の粒が抒情的に描かれています。

黒と金のノクターン:落下する花火

 
 この絵の掲示はなかったのですが、写真と説明がありました。
 ホイッスラーが夜の公園で打ち上げられた花火の落下する火花を描いた作品です。
 
 作品は公開当初、批評家ラスキンが「まるで公衆の面前で絵の具の壺の中身を投げつけ、ぶちまけた   
 だけのようだ」と厳しく批評しました。
 対してホイッスラーが名誉棄損の訴訟を起こして勝訴しました。
 この絵は後のアメリカの抽象絵画芸術を予感させる驚嘆すべき作品と位置付けられています。

その後、ホイッスラーは1886年に英国美術家協会会長に任命されました。


019  ピーコックルーム
ホイッスラーの室内装飾の映像がありました。
パトロンのフレデリック・レイランドのダイニングルームをデザインしたものです。
現在はアメリカ、フリーア美術館に移築されています。その部屋が映像で紹介されました。
正面に見えるのは金色のクジャク(ピーコック)、棚には東洋の陶磁コレクション、さらにホイッスラーの
絵画「バラ色と銀色:陶器の国の姫君」が棚の間に掲げられています。

これ等の他、水彩や版画などを含め、約130点の作品が展示されていました。

この展覧会は3月1日まで開催されています。













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