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2014年12月 9日 (火)

東京国立近代美術館工芸館・青磁のいま

千代田区北の丸公園にある近代美術館工芸館で開催されていた「青磁のいま」を見て来ました。

青磁は中国が発祥の、青から緑の美しい色調の陶磁器ですが、日本では茶の湯の発達と共に、陶芸家が
努力を重ねてそれを再現し、更に様々な個性のある青磁に発展させています。

近代美術館工芸館では、中国・南宋時代の官窯、龍泉窯の青磁作品から、日本の近代、現代の
青磁作品までを展示しています。

チラシとポストカード、図録から一部ご紹介します。

001 002
「青磁のいま」チラシ 表                     チラシ 裏

第1部は日本に伝わった中国・南宋時代の官窯、龍泉窯の青磁作品です。

003  米色青磁下蕪形瓶 官窯 h22、6cm
酸化焔焼成による黄土色の青磁です。下が膨らんだ蕪形になっています。
はっきりとした貫入と、細かい亀裂の入った二重貫入です。

青磁は釉薬に含まれる微量の鉄分が、還元焔焼成により、青色から緑色に発色しますが、
酸素が十分にあると、酸化焔焼成になり、黄色味を帯びた色になります。
これを“米色”または“窯変”と言います。
又、深い緑色を呈すものを特に“天龍寺青磁”と呼びます。

004  青磁盤 官窯 w23、8cm
平底の円形盤で、口縁に金属の輪がついています。
きれいな二重貫入です。

005  青磁輪花碗 銘 馬蝗絆 龍泉窯
h9、6cm d15、4cm 重要文化財
きれいな碗ですが、口台の周りにひび割れがあり、それを鉄の鎹(かすがい)で留めています。
この修復が馬に止ったイナゴ(蝗)のように見えるので、この銘が付けられました。

006  青磁鳳凰耳瓶 龍泉窯 h31、5cm
砧型の瓶の頸部に鳳凰の耳がついています。厚く釉薬がかかり、つやのある瓶です。

007  青磁袴腰香炉 龍泉窯 h11、7cm d15、2cm
3本の足があります。腰の部分が袴のふくらみに似ているので、この名前があります。

008  青磁玉壺春形瓶 龍泉窯 h25、2cm
明るい緑色の釉薬がかかっています。ゆったりと張った胴がおおらかです。

第2部は日本の近代の青磁です。

009  初代宮川香山 青磁獅子摘香炉 h12cm
蓋のつまみが獅子の形になっています。
宮川香山は陶磁器の蓋や胴に動植物を貼り付けた、超リアリズムの彫刻的作品で欧米からも大人気でした。

010  三代清風與平 青磁鉄斑文大瓶
h56、4cm d32cm  天龍寺青磁、飛青磁にならった作品です。

011  初代諏訪蘇山 青磁菊象嵌花瓶
h27、6cm 菊の花の象嵌が美しい花瓶です。

012  板谷波山 青磁蓮花口耳付花瓶
h30cm
写真を撮る時、若干傾いてしまいました。
板谷波山は葆光釉の技法を開発し、光沢を隠して薄い絹布を被せたかのような淡い、幻想的な色彩の
陶器の作品を作り出しました。 

013  小森忍 青磁裏紅花文壺 h28cm
小森忍は京都市陶磁試験場で古陶磁を研究し、材料や技法の解明に努め、その再現に力を発揮しました。
後輩に河井寛次郎、浜田庄司、加藤土師萌らが育っています。

014  河合寛次郎 青磁鱔血文花瓶 h28cm
赤い、血のような色合いの花瓶です。

015  石黒宗磨 青磁氷裂文盌 d16、4cm
二重貫入の米食青磁です。

016 017
岡部嶺男 粉青瓷大砧 h33cm                岡部嶺男 窯変米色瓷博山炉 h19、8cm
二重貫入の氷裂文があり、形態も独特です        山の形をした蓋とそれに因んだ名前です
撮影のミスで口部が歪んでしまいました。すみません。

岡部嶺男は窯変米色青瓷を完成した他、無貫入の粉青瓷、二重貫入の粉青瓷、ほのかな赤味の粉紅瓷、
翠青瓷、天青、秘色など、様々な青瓷を生み出し、後継の者に青瓷でも自己表現ができるという確信を
持たせました。


018  清水卯一 青磁大鉢 d40、5cm
釉薬層の奥深くまで貫入が入った氷裂文です。まるでうろこがついているように見えます。

019  三浦小平二 青磁色絵曼荼羅大皿
d46、5cm 一部釉薬のかからない部分を残して明るい青磁釉をかけ、その上に色絵を描いています。
絵は菩薩像で、11面が5列描いてある曼荼羅です。

次に第3部の現代の青磁です。

020  中島宏 青瓷線彫文平鉢 d44、5cm
厚く釉薬が掛けられ、均整のとれた美しい青瓷です。

021  高垣篤 茜青瓷ー屹立 h46、2cm w68、8cm d30、7cm 
稜線部の薄くなった釉薬の下から茜色が透けて見えます。
板状の陶土を貼り合わせて屏風を作り、作品を制作します。

022  深見陶治 遥カノ景(望) h194cm
石膏型の三つのパーツに、泥漿にした磁土を流し込んで成形しています。
圧力鋳込み技法と言うそうです。

023  川瀬忍 青磁大鉢 w37cm
植物にヒントを得て制作した、左右非対称の端正な、繊細な青磁です。

024  神農巌 堆磁線文壺 h37cm d27cm
胴部に縦に見られる線文は、泥漿にした磁土を何度も塗り重ねて作り出しています。
波や風などの自然が感じられるようです。

025  青木清高 曙 h21、8cm w38、7cm
青磁釉の上から彩色しています。

026  福島善三 中野月白瓷鉢 h16、5cm w40cm
鉄分の多い小石原(中野)の土を使い、乳白色に青味がかった青瓷です。

これ等の他、沢山の青瓷、青磁が展示してありました。
一般に、青磁は素地に磁土を使ったものを言い、青瓷は陶土を使ったものを言いますが、作家が
自分の作風に合った名付けをしています。

第1部の中国の作品が20数点、第2部、第3部の日本の作品が約50点ずつ、合計124点の
素晴らしい青瓷、青磁を堪能しました。

この展覧会は残念ながら11月24日までで終了しました。


























 






























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