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2014年10月27日 (月)

東京国立近代美術館・菱田春草展

千代田区北の丸公園の東京国立近代美術館で開催されている「菱田春草展」を見て来ました。

菱田春草は近代美術の草創期に彗星のごとく現れ、惜しくも36歳で没した天才画家です。
日本画で光の反射や拡散を表現するために工夫している中で、朦朧体の手法を開発し、西洋画から学んだ
表現を日本画に取り入れたり、伝統的な岩絵具の緑青や群青の代わりに、コバルトブルーやビリジャン、
ウルトラマリンブルーなどの西洋顔料も使いました。

春草の作品4件が重要文化財に指定されています。
これは近代芸術家の中で最多であり、日本画革新の旗手と称され、知性の画家とも言われています。

ポストカードや新聞の写真などから一部ご紹介します。

001  菱田春草展チラシ
チラシの絵は「黒き猫(重要文化財)」

2_001  「寡婦と孤児」
東京美術学校(現 東京芸術大学)の卒業製作です。
夫に死なれ、形見の武具を前に子供を抱いて悲しむ妻を描いています。
歴史画の中で、名もない庶民を描いた独創的な画題です。教授会では評価が割れていましたが、
校長の岡倉天心の一声で優等第一席となりました。

2_003  「武蔵野」
芒や萩などの草が見渡す限り一面に生い茂り、冷たい風が武蔵野の原を吹き抜けています。
遠くに富士山、鳥が一羽枯れ枝に止まっています。
なんとも寂寥感あふれる作品です。

2_002  「菊慈童」
春草の朦朧体の代表作。色彩で奥行きを表しています。
画面全体に紅葉や渓流が描かれ、菊慈童は小さく描かれています。
菊慈童は中国の周の王に仕えた童子ですが、罪を犯して山奥へ流されました。
菊の露を飲んで不老不死を保ったという事です。

002  「王昭君」 重要文化財
絵師への賄賂を拒んだ為、醜い女に描かれ、敵国に贈られる高潔な美女、王昭君とそれを悲しむ侍女、
女官たちを描いています。
白い肌と薄い透き通るような衣装など気品にあふれた作品です。

003  「春日」
暖かい春の日に白い猫がほっこりと丸くなっています。


004  「賢首菩薩」 重要文化財
中国唐代の僧、華厳経の大成者が椅子に座って説法を行っています。
明るい画面で、何色もの色彩を使っています。点描のように顔料を塗ったり、橙色と青色のような
補色の色づかいも工夫しています。

005 006
「落葉」 重要文化財
木の根元だけを描いて無限に続く林を表しています。落葉がひらひらと舞い降り、積もっています。
遠くの木はおぼろげになり、絵を見る者が屏風の林の中に入っていくような感覚になります。

007  「黒猫」
「黒き猫」を描く前に何度も猫を描きました。
この猫は体毛を描いています。

008  「黒き猫」 重要文化財
らんらんと目を光らせる黒猫、今にも飛びかかって来そうです。緊張感があります。
猫の体毛は毛描きがされず、絵具を滲ませたぼかしで表しています。
柏の葉には金泥を混ぜているそうです。屈曲した樹幹、ぼこぼことした枝が黒い、丸い猫と対比されて
います。

これ等の他、端正な、気品に満ちた、しかし意欲的な、独創性あふれる作品が100点以上展示して
ありました。

菱田春草の絵を堪能しました。

この展覧会は11月3日まで開催されています。

 東京国立近代美術館
    東京都千代田区北の丸公園3-1
        Tel 03-5777-8600

 



























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