戸栗美術館・古九谷、柿右衛門、鍋島展

渋谷区松濤の戸栗美術館で開催されている「古九谷、柿右衛門、鍋島展」を見て来ました。

戸栗美術館は戸栗亨さんが収集した陶磁器を中心とする美術品を公開するため、旧鍋島藩屋敷跡にあたる
渋谷区松濤の地に開館しました。
コレクションは伊万里、鍋島などの磁器及び中国、朝鮮などの東洋陶磁が主体で、陶磁器専門の美術館です。

今回は備前磁器の精華「古九谷」「柿右衛門」「鍋島」約８０点を展示しています。

「古九谷」は古九谷様式の伊万里焼のことで、濃厚な色彩、躍動感あふれる大胆な構図の色絵磁器です。

「柿右衛門」は酒井田柿右衛門が開発した伊万里焼で、赤を基調とした華麗な色、濁手（にごしで）
（乳白手）と呼ばれる純白の磁肌が特徴で、多くはヨーロッパに輸出された贅沢品です。

「鍋島」は佐賀県鍋島藩の御用窯で、主に将軍家や政府高官への献上用として焼かれたもので、
染付や色絵に品格があります。

チラシやポストカードから一部ご紹介します。

　　
戸栗美術館　外観　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　入口
Bunkamuraの先の坂を上り、能楽堂の左手にあります。

　　古九谷、柿右衛門、鍋島展チラシ

　　色絵瓜文皿　高さ９、６ｃｍ口径４４、５ｃｍ
古九谷様式伊万里　　青手の大皿　瓜を青で、葉を緑で描き、周囲は緑の流水文です
濃厚な色彩と大胆な構図で古九谷の代表的な皿です

　　色絵牡丹双蝶文皿　高さ４、７ｃｍ口径３５、２ｃｍ
古九谷様式伊万里　　大輪の牡丹の花、青と黄の鮮やかな２匹の蝶が描かれた五彩手の古九谷です

　　色絵葡萄文虫籠形食籠
柿右衛門様式伊万里　　網目の虫籠やそれを結ぶ紐が立体的に造られています

　　色絵婦人像　高さ３９、２ｃｍ
柿右衛門様式伊万里　　型による成形で、数多くヨーロッパに輸出されました
御所髷の髪型、打掛には熨斗文が描かれています

　　色絵山水文瓢形瓶
伊万里　　胴の上半分には亀甲文が、丸窓の中には宝文が描かれています
胴の下半分に青、黄、緑で山水文を描き、その上には雷文があります　　
説明資料からのものなので少しボケています

　　色絵花果文面取壺
伊万里　　胴の六面を軽く押さえて面取りをしています
窓の中に柘榴と桃を描き、外は葡萄文と鮮やかな色彩です

　　色絵牡丹文瓶　高さ４７ｃｍ口径８、１ｃｍ　
伊万里　　別々に造った上下をつなげて成形しています（胴継）
牡丹の花が黄と赤で描かれています　葉の緑と上下の赤い帯など装飾性に富んでいます

　　色絵石楠花文皿
鍋島　　鮮やかな色彩で、絵が洗練されています

　　色絵三瓢文皿
鍋島　　青、白、緑の瓢箪が描かれています　周りは青海波で洒落ていますね

　　色絵紅葉流水文皿
鍋島　　渦巻く流れを青で描き、その奔流に躍る紅葉を赤、黄、緑の上絵付で描いています

　　色絵牡丹文変形皿
鍋島　　左右の葉が中央の牡丹の花を抱き込むように描かれています
蟹の姿を思わせるので”蟹牡丹”と呼ばれるそうです

　　色絵丸松竹梅文蓋付碗
古九谷様式伊万里　　胴と蓋の丸文中に松、竹、梅、銀杏の葉を描いています


これ等の他、鉢や向付、水注などもあり、「古九谷」「柿右衛門」「鍋島」の備前磁器の精華を堪能しました。

この展覧会は１２月２３日まで開催されています。

　戸栗美術館
　　　　　　東京都渋谷区松濤１－１１－３
　　　　　　　　　Tel　03-3465-0070