Bunkamura・デュフィ展
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されているデュフィ展を見て来ました。
デュフィは20世紀前半に活躍したフランスの画家です。
踊るようなしなやかな線と明るくカラフルな色彩で、陽気でエレガントな絵画が特徴ですが、
最初は印象派風の作品を描いていました。
次第にマティスのフォーヴィズム、またセザンヌやブラックに影響を受け、キュビズム風の絵を描くように
なりましたが、ファッション界のポール・ポワレとの出会いが、デュフィにデザイナーとしての
才能を目覚めさせました。
そしてデュフィの多様な色彩と斬新なモチーフによるテキスタイル・デザインは圧倒的な支持を受け、
後年の軽やかな線と色彩が乱舞する、華やかなデュフィ様式を確立したのです。
チラシやパンフレット、ポストカードから一部ご紹介します。 デュフィ展チラシ
絵は「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」 「サン=タドレスの桟橋」
明るい、印象派的な絵です。 「ダンス」
力強い木版画です。踊る男女や木々が画面いっぱいに描かれています。 「ニースの窓辺」
窓の両側にエメラルドグリーンの海とヤシの並木、建物のある浜辺を描いています。
青の色が印象的です。 「馬に乗ったケスラー一家」
イギリスの裕福な大地主、ケスラー一家が描かれています。
ここでも青を主として鮮やかな色彩です。 「パリのパノラマ」
手前の大きな花の向こうにエッフェル塔やパリの街のパノラマが広がります。
これはタピスリーです。 「クロード・ドビュッシーへのオマージュ」
ドビュッシーの楽譜が置かれたピアノが描かれ、花が音楽に合わせてうねっています。 「ヴァイオリンのある静物:バッハへのオマージュ」
中央の黒いヴァイオリンが印象的です。室内に共鳴する音色を赤などの鮮烈な色で表しました。
色彩のメロディーですね。
これ等の他、「トウルーヴィルのポスター」では沢山のカラフルな看板が描かれていました。
「たちあおい」のテキスタイルは一面花で埋め尽くされています。
「電気の精」はパリ万博「光と電気館」に描かれた、10x60mの巨大壁画で当時の技術の発展を
描き、それに寄与した100人以上の学者も描きこまれています。
エジソン、オーム、ワット、アリストテレスなどなど。
この壁画でデュフィは地位を更に確固たるものにしました。
油彩や水彩、木版画、テキスタイルデザインに加えて陶器(装飾された花瓶)、タピスリーなど、
様々な作品を通してデュフィの生きる喜び、楽しさが伝わってきました。
この展覧会は7月27日まで開催されています。
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こんにちは
私もデュフィ展を見てきましたので、興味深く読ませていただきました。
鮮やかで豊かな色彩と見事な軽快な筆さばきで描かれる生きる喜びを感じさせる明るい絵画を見ると気持ちも明るくなりました。
私は過去に来日したデュフィの傑作も含めて。デュフィの魅力について掘り下げて整理してみましたて。ご一読いだき、ご感想、ご意見などコメントいただけると感謝致します。
投稿: dezire | 2014年7月24日 (木) 03時44分