平塚市美術館・石田徹也展
平塚市美術館で開催されている「石田徹也展ーノート、夢のしるし」を見て来ました。
石田徹也は武蔵野美術大学を卒業し、ポスターや広告デザイン分野で活躍しますが、現代社会を風刺する
画風と、独特の器物や自然と合体した自画像が注目されました。 石田徹也展看板
平塚市美術館
ポスターなどから少しご紹介します。 「燃料補給のような食事」
サラリーマンの食事を風刺しています。画一的で忙しく、まるでガソリンスタンドの燃料補給だと辛辣に
描いています。補給する人の目はうつろで、あらぬ方向を向いています。 「だんご虫の睡眠」
だんご虫のように、からに閉じこもって寝ています。 「飛べなくなった人」
飛行機と一体になった人ですが、飛行機は固定されており、飛ぶことができません。
目はうつろであいまいな表情です。
風刺されているのですが、飛べないわが身と重ねて、かなしみが沸いてきます。 「無題」 はりこ、絵付け前の高崎だるま
小便器に合体した顔ですが、全体がだるまの形に似ているからでしょうか。
可哀想な顔です。 「捜索」
少しぼやけて見にくいですが、鉄道ジオラマに融合している自画像です。
赤い電車が腕にあるレールを通って肩のトンネルに入っていくところです。
もう一方の手は橋の下に、足や体全体に草や木が生えてきています。
これは2011年のヨコハマトリエンナーレに出品された石田徹也の作品の新聞記事です。
これ等の他、「居酒屋発」や「SLになった人」、「使われなくなったビルの部長の椅子」、
「トヨタ自動車イプサム」など、代表作110点が展示され、そのほとんどの作品に絵の下書きとアイディア、
言葉が付けられていました。
又、50冊を超えるノートとスケッチブックが展示され、下絵と石田徹也の言葉を見ることができました。
アイデアノートから石田徹也の言葉を一寸紹介します。
「何を書こうか、考えるとき、目をつぶり、僕自身の、生まれてから、死ぬまでをイメージする。
しかし、結果表れてくるものは、人や、社会の痛み、苦しみ、不安感、孤独感などで、僕自身をこえたものだ。
それを自画像の中で描いていく。ーー」
「自分と他人の間のかべを意識することは、説明過剰を生み出すが、そのテーマなり、メッセージが、
肉声として表現されているならば、直情的にたたきつけた絵画よりも、ニュアンスにとんだ、
コミュニケーションがとれるはずだ。」
この様に下絵やアイディア、言葉が随所にありましたので、制作の過程や石田徹也の思考の跡が分りました。
もっと我々に示唆や方向性を示してほしかったのと、今後どんな絵に発展していくのか大いに期待
していたのですが、31歳の若さで生涯を閉じ、残念です。
この展覧会は6月15日まで開催されています。
平塚市美術館
神奈川県平塚市西八幡1-3-3
Tel 0463-35-2111
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コメント
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