川崎・砂子の里資料館、広重の「六十余州名所図会」
京急川崎駅近くにある砂子の里資料館で開催されていた、初代広重の「六十余州名所図会」を見て来ました。
この展覧会は初代広重の晩年の大作「大日本六十余州名勝図会」(大判堅・69枚・目録1枚)が
版元越村屋から4年近くをかけて発行された合計69図の名所絵図を全て揃えて一挙に公開したものです。
パンフレットの絵から一部ご紹介します。
伯耆
大野 大山遠望
大山は1700m以上の中国地方一番の高い山です。
その大山を背景にして、村人総出で田植えをしています。
美作 山伏谷
山伏の修験場があるところ(山伏谷)で旅人が嵐に遭っています。
雨の勢いの強さを幅広の斜めの線で表現しています。また、旅人の笠が舞い上がって風の強さを
表しています。
(左) 武蔵 隅田川 雪の朝
(中) 山城 あらし山 渡月橋 (右) 対馬 海岸 夕晴
渡月橋を人が渡っています。 対馬の海岸には沢山の帆かけ船がでています。
(左) 江戸 浅草市
(中) 土佐 海上 松魚漁 (右) 安芸 厳島 祭礼之図
浅草の市場が大変な賑わいです。 土佐では威勢の良い鰹の一本釣りです。
(左) 壱岐 志作
(中) 備後 阿武門 観音堂 (右) 阿波 鳴門の風波
「六十余州名所図会」にも広重の雪、月、花、三部作があります。
雪の壱岐、阿武門の山の上に月、鳴門の渦潮を花にたとえています。
その他、「北陸道 越中 富山舩橋」では神通川にかかる船の橋が描かれています。
舟66艘をつなぎその上に木の橋を渡しています。
「尾張 津嶋 天王祭り」では5隻のだんじり船の船渡御が描かれています。
京都嵐山から始まる畿内5図、伊賀上野から始まり、遠江浜名湖、山梨猿橋、江戸浅草市などが描かれた
東海道15図、近江琵琶湖石山寺から始まる東山道8図、若狭、能登などの北陸道7図、
山陽道8図、南海道6図、壱岐と津島が最後となる西海道11図、合計69図が全て揃って
展示してありました。
残念ながら、この展覧会は4月26日で終了しました。
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