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2014年3月22日 (土)

ラファエル前派展・森アーツセンターギャラリー

森アーツセンターギャラリーで開催されている「ラファエル前派展」を見て来ました。

19世紀半ば、英国の若い画家たちは、ラファエルを規範とするアカデミズムに反発し、ラファエル以前の
初期ルネサンス芸術に戻ろうと「ラファエル前派兄弟団」を結成しました。

この活動の中心となった、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、ジョン・エヴァレット・ミレイ、ウィリアム・ホルマン・ハント
3人を始め、第二世代のエドワード・バーン=ジョーンズらの72点が展示されています。

中でも注目は、イギリス美術の最高峰と言われる、ミレイの「オフィーリア」です。
「オフィーリア」は2008年、Bunkamuraで開催された「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」にも出品されましたが、
今回、再度の来日です。

ポストカードやチラシなどから一部ご紹介します。

001   ミレイ 「オフィーリア」
何度見ても素晴らしい絵です。
シェークスピアの悲劇のヒロイン、オフィーリアは、恋人ハムレットに父を殺されて気がふれ、川に流されます。
ミレイは背景のホッグズミル川の景色を5ヶ月かけて入念に描きこみ、その後オフィーリアのモデルを
描き入れました。
オフィーリアも川の景色も精密に描かれていますが、草花は劇のセリフで語られるのと同じ、キンポウゲ、
ヒナギクを始め、スミレ、ケシ、バラなどが正確に描かれ、一つ一つ意味があるようです。
この絵にゴッホが強い影響を受けたといいます。
夏目漱石も深い感銘を受け、「草枕」の中でオフィーリアについて語っています。

002   ミレイ 「マリアナ」
少しボケてしまいましたが、女性の青い衣装や赤い椅子、ステンドグラスなど鮮やかな色調で描かれています。

003  ミレイ 「両親の家のキリスト」
聖家族を描いていますが、従来の描き方と違い、身近にリアルに描いています。
マリアもキリストの怪我をした手を見るヨゼフも実在の人物のように描かれています。
当時の人には評判は良くなかったようですが。

004  ウィリアム・ダイス 「ペグウェル・ベイ、ケント州」
ペグウェルの海岸、断崖を描いています。
画面の中央、上方に白い彗星が描かれているのが見えるでしょうか。
当時、丁度数日、地球に接近したドナーティ彗星を描きこんでいます。
画面の右端、岸壁の手前に画家、ダイスも描かれています。

005   ウィリアム・ホルマン・ハント 「良心の目覚め」
男の黒っぽい衣装や赤いじゅうたんなど暗い、濃い色調の中、白い衣装の女性が引き立ちます。
良心が目覚め、退廃的な愛人生活から抜け出そうとする女性を描いています。
テーブルの下には、小鳥が猫に追われています。

006   007
エドワード・バーン=ジョーンズ 「クララ・フォン・ボルク」       「シドニア・フォン・ボルク」
シドニアはクララを妬ましく睨んでいます。衣服も恐ろしげな模様です。


008   
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 「ベアタ・ベアトリクス」
モデルはロセッティの妻、シダルですが彼女は精神安定剤、アヘンを常用し、32歳の若さで亡くなります。
目を閉じたベアトリーチェに、愛の象徴の赤い鳩が、死と眠りを意味するケシの花を届けます。

009  ロセッティ 「最愛の人(花嫁)」
未来の夫を前にして、ベールを脱ぐ花嫁を描いています。
初々しく可愛いですね。

010  ロセッティ 「プロセルピナ」
ギリシャ、ローマ神話の女神を描いています。
冥界の王にさらわれて、禁断のザクロを食べた為、1年の内の半分しか地上に戻れなくなってしまいました。
モデルはモリスの妻、ジェインですが、何か暗示的です。
右上に書かれているのはロセッティの詩だそうです。

011   
エドワード・バーン=ジョーンズ  「愛」に導かれる巡礼
いばらの中を巡礼が「愛」の天使に導かれています。

これ等の他、ウィリアム・ホルマン・ハント「幽霊屋敷」は森の緑と水の流れの描写が素晴らしく、
ハントの「ユールの穀物畑」はまるで写真のように精密に描かれています。

フォード・マドックス・ブラウン「あなたの息子をお抱きになってくださいな」は未完成ですが、息子を差し出している母親の横の小さな鏡に夫が映っています。
面白い構図です。

などなど、ミレイの作品9点、ロセッティの作品19点他、ラファエル前派の作品を楽しみました。

この展覧会は4月6日まで開催されています。

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