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2014年3月26日 (水)

郷愁の日本風景・川瀬巴水展

横浜高島屋ギャラリーで開催されている、郷愁の日本風景・川瀬巴水展を見て来ました。

川瀬巴水は大正7年から昭和30年代にかけて活躍した版画家で、静かな、うら寂びた、郷愁の日本風景が
特色で、特に哀愁を帯びたブルーの色が印象的です。

001   川瀬巴水展チラシ
チラシの絵は鎌倉大仏

川瀬巴水は幼い頃から絵が好きでしたが、糸屋の跡継ぎとして絵の修業が思うにまかせず、
鏑木清方に入門したのは27歳になってからでした。
同門の伊東深水の木版画「近江八景」に魅力を感じて、版元、渡邊庄三郎と木版画を始めます。
初作は伯母夫婦が住む、幼児に親しんだ塩原の地を題材にしたものでした。

002   塩原三部作
左から、塩原おかね路、塩原畑下り、塩原しほがま
おかね路は遠景のやまの夕映えが鮮やかです。畑下りは雨脚が強く描かれています。
しほがまはのどかな田舎の風景です。

003  004
金沢ながれのくるわ                         大根がし
青い夜の川面に映る明かりが印象的です          岸に大根や野菜が並ぶのどかな風景です

005  三十間掘の暮雪
それまでの点で描く雪でなく、版木を砥石やたわしでこすり、吹雪の感じを表現しました。

006    大阪道とん堀の朝
哀愁を帯びたブルーが印象的です。
アメリカの人達は特にこのような絵を好んだようです。

007   008
金沢下本多町                             鹿児島甲突川

巴水は旅に出てスケッチし、東京に戻って版画を作ります。
旅の印象を抒情的に描く作風から「昭和の広重」と言われました。

009   010   
芝増上寺                                  大根河岸の朝
この版画が人気で、巴水最高の3000枚が売れたそうです。

巴水の版画に使う版木は山桜で一作あたり5枚ほど使います。
用紙は越前奉書、絵具は植物性のものが主体。
20回から40回摺りを重ねて100~300部を作製します。

「増上寺の雪」の例が展示されていましたが、この版画では、版木を9枚使い、42度も
摺りを行ったそうです。

011   明石町の雨後

012   013
滝の川                                 馬込の月
                                    この絵も人気で2000枚売れたそうです。

015  016
尾州半田新川端                             田子の浦の夕

017   小樽の波止場

018   019
京都清水寺                              上州法師温泉
清水の舞台から景色を眺めているのは巴水です      巴水が気持ちよさそうに湯に浸かっています

020  つつじ庭
左は、つつじ庭より藤を見る  右は、つつじ庭に遊ぶ二美人
元箱根見南山荘風景集より。今の小田急山のホテルでしょうか。

021   022
築地本願寺の夕月                          西伊豆木負 富士と桜がきれいです

024  025
箱根宮の下富士屋ホテル 上、春 下、秋            上、夏 下、冬
富士屋ホテルから依頼を受けて作成。外国人客の為の英文タイトルが併記されています。

026   027
日本電報通信社(現、電通)の海外向け月刊誌TheJapanTradeMonthlyの表紙

028   塩原の秋(天狗岩の下)

029   平泉金色堂
巴水の絶筆です。しんしんと降り積もる雪の中を金色堂に向かう僧は巴水自身です。
最終の時に望んでも画を描き続ける巴水の哀愁漂う姿に見えます。

これ等の他、水辺の景色や月夜、雨の場面など郷愁の日本風景を堪能しました。
又、巴水の写生帖や写生をもとに描いた、版画の下絵になる原画(彩色してあります)も沢山
展示してありました。

川瀬巴水展は昨年暮れからの千葉市美術館、大阪高島屋に続き、3月の横浜高島屋の後、
萩美術館、川越市立美術館、京都高島屋と巡回し、最後に来年1月日本橋高島屋で展示されます。

尚、横浜高島屋ギャラリーは3月31日まで開催されています。

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