眞葛焼・宮川香山
神奈川県立歴史博物館で開催されている「眞葛焼」を見てきました。
眞葛焼は京都の陶工、宮川香山が横浜に眞葛窯を築いて、超絶技巧の陶芸作品を作成し、
万国博覧会などで世界に認められるやきものになりました。
宮川香山は帝室技芸員となり、外貨獲得に貢献します。
眞葛焼チラシ
掲載されているのは「桜に群鳩花瓶」
超絶技巧の作品を図録から一部ご紹介します。
高浮彫牡丹に眠猫覚醒蓋付水指 高浮彫群鳩飛来花瓶
見事な浮彫の牡丹です。目覚めた猫が可愛いですね。 花瓶3個を合わせた形です。
浮彫の鳩が5、6羽います。
高浮彫桜に群鳩花瓶 高浮彫金彩孔雀大花瓶
桜の花と鳩を4面から見ます。 花瓶の裏に孔雀が大きな羽を広げています。
高浮彫四窓遊蛙獅子蓋付壺 高浮彫葡萄の蔓に蜂の巣花瓶
蓋に獅子が付き、四面の窓で蛙が遊んでいます。 蜂を捕まえようとする雀が描かれています。
高浮彫南天に鶉花瓶
南天の実や葉の細かい細工、鶉の羽も細やかです。
紫釉盛絵杜若花瓶 色嵌釉紫陽花花瓶
色絵の上に釉薬を施し(釉下彩)淡い仕上がりです。 紫陽花の花の白と黒い葉のコントラストが素敵。 高取釉渡蟹水盤
2匹の蟹が水盤の上に見事に造形されています。
蟹の爪や甲羅の色、模様など、まるで生きているようです。
同じ様式の渡蟹水盤があと二点あり、ひとつは重要文化財に指定されています。
色絵香炉 黄釉青竹に群雀文香炉
色染付椿に文鳥花瓶
これは二代宮川香山の作品です。
これ等の他にも沢山の襞のある老木から、籠に乗って茸を採取するところを表した花瓶や
大鷲が鯛を捕えた高浮彫のある花瓶などため息が出るような見事な作品がありました。
高浮彫は窯で焼くときの収縮度合いの違いから、いびつになったり、壊れたりすることも多々あったと
思います。
残念ながら、戦時の大空襲の被害が大きく、眞葛焼は復興されず幕を閉じてしまったそうです。
この展覧会は3月2日まで開催されています。
神奈川県立歴史博物館
横浜市中区南仲通5-60
Tel 045-201-0926
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