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2014年2月24日 (月)

板谷波山没後50年・大回顧展

出光美術館で開催されている、板谷波山没後50年・大回顧展を見て来ました。

板谷波山は東京美術学校彫刻科を卒業して陶芸の道に進み、様々な工夫や技術を独自に開発し、
柔らかい光の艶消し釉をかけた「葆光彩」で陶芸の一大分野を築きました。
又、彫刻の技を生かした「薄肉彫り」で模様を精緻に浮彫し、きらめく釉薬をかけた「彩磁」など、独創的な
陶芸世界を切り開いています。
1934年には陶芸界で4人目となる帝室技芸員(人間国宝)に任ぜられ、1953年には陶芸家として初めて
文化勲章を受章しました。

ポストカードなどから一部ご紹介します。

010  彩磁桔梗文水差
口辺に青い桔梗の花が描かれています。バランスの良い水差です。

011   葆光彩磁鸚鵡唐草彫嵌模様花瓶
葆光彩とは光を隠すという字の意味のとおり、器面に薄い絹布を被せたような淡い、幻想的な色彩を言います。
板谷波山が開発した、石灰、長石、炭酸マグネシウム、硅石などを調合した釉薬による艶消し釉で、
窯の中で焼成されて、釉薬の中の極微の結晶により、表面にヴェールを掛けたような淡い色調に
仕上がります。

012   葆光彩磁葡萄文香爈

013   彩磁八ツ手葉文手焙
昔の火鉢ですね。大きな八ツ手が大胆です。

014    葆光彩磁瑞花鳳凰紋様花瓶
悠然と飛ぶ鳳凰と草花の紋様が鮮やかです。

015   棕櫚葉彫文花瓶
棕櫚の葉が薄肉彫で見事に表されています。そして、この写真では見にくいのですが、棕櫚の葉の合間に
四角い渦巻の雷文がびっしりと彫られています。まさに神業です。

更に、白磁では板谷波山は白の色彩の微妙な違いを呼び分けて、白磁、氷華磁、 葆光白磁、凝霜磁と名付けていました。波山の意気込みが窺えます。

016    葆光彩磁草花文花瓶
花はチューリップでしょうか。爽やかな上品な花瓶です。

017    葆光彩磁花卉文花瓶
しっかりと桃の花が描かれ、気品のある花瓶です。

018   天目茶碗 銘 命乞い
辰砂釉が真っ赤に発色した神々しい茶碗です。

辰砂釉の他にも金紗釉、紫金釉、茶釉、銹釉の作品もありました。
又、青磁、黒磁なども制作しています。

ここでは見られなかったのですが、重要文化財の「 葆光彩磁珍果文花瓶」が泉屋博古館分館にあります。

これ等の他に、沢山の図案と写生がありました。
陶磁器の形に花や動物の姿を重ねた「器物図集」、身近な植物を写したスケッチ「花果粉本」、色彩豊かな「模様集」などに加えて、大量の(約120件)素描が展示してありました。

そして最後には波山91歳の絶作「椿文茶碗」で締めくくられていました。

板谷波山は工房などによる大量生産はせず、全て波山自身の手による制作で、人の目には優品と
見られるものでも、「良心の許さない作品は世に残さない」と言って器を割ったそうです。
まさに近代陶芸の最高峰、「陶聖」と言われるゆえんです。

出光美術館は板谷波山の作品約280件を所蔵し、その中から約180件を展示しています。

板谷波山の素晴らしい陶芸を堪能しました。

この美術展は3月23日まで開催されています。

 出光美術館
   東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9階
       Tel 03-3213-9402

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