大津絵大図解・町田市立博物館
町田市立博物館で開催されている「大津絵大図解」を見て来ました。
町田市立博物館は大津絵コレクションの収集、充実を図っていますが、今回開館40周年を迎えて、
大津市歴史博物館の大津絵コレクションと合わせ、約100点の展示、図解を行っています。
町田市立博物館
博物館は本町田の丘の上にあります。 「大津絵大図解」の看板
大津絵は江戸時代に大津の追分周辺で売られていた絵です。
当時交通の要所であった追分を通る旅人たちが土産物として買っていきました。
最初は自宅で祀る礼拝用の仏画から始まったようですが、旅人たちの前で数多く、迅速に描き、
買いやすい手ごろな価格にするため、大津絵独自の技法が発達しました。
肉筆画と版画を折衷させ、合羽刷り、版木押しやコンパス、定規を使うなどの工夫がなされています。
そして旅人たちの心を掴むため、美人画や鬼や動物たちのキャラクターを使った風刺画など、
見て楽しい絵に発展していきました。
図録の中から一部ご紹介します。
阿弥陀三尊来迎 十三仏
阿弥陀如来が観音、勢至両菩薩を従えてお迎えに来ます
十三仏は初七日から三十三回忌までの法要の仏様を描いたもので、この一幅で各法要に兼用でき、
重宝されました。
青面金剛
庚申信仰の本尊。庚申の日は人が寝ている間に体の中にいる3匹の虫が天に上り、その人の悪事を天帝に告げる為、人々は青面金剛の軸を掛け、徹夜で祈念して過ごした。
大黒下法の相撲 下法(福禄寿)の梯子剃り
大黒が下法(福禄寿)にかわず掛けを掛けている 長い福禄寿の頭に梯子を掛けて剃っています
鍾馗 矢の根
魔除けの神 髭が顔の上に逆立っている 曽我五郎が矢じりを研ぐ姿
雷と太鼓 鬼の念仏
浪間に落とした太鼓を錨で拾い上げようとしている 一番人気の大津絵 角の片方が折れている
槍持ち奴 鷹匠 若者が描かれる
藤娘 三本の藤を持つ美人
瓢箪鯰
丸い瓢箪でヌルヌルする鯰を抑え込もうなんて無理な話です
禅問答から出た言葉のようですが、後に猿が描かれ、浅はかな猿知恵を表しているそうです。
お札として家に掛けられると意味が逆転して「諸事円満解決、水魚の交わり」となるようです。
それぞれの表題の絵に色々なバリエーションがあります。
更に、座頭や弁慶、龍や鷹、鼠と猫などの動物を描いた風刺画もありました。
楽しく、面白く、一寸ためになる絵が沢山ありました。
前期は1月13日で終わりましたが、後期が1月18日から2月11日まで開催されます。
町田市立博物館
町田市本町田3562
Tel 042-726-1531
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