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2013年8月17日 (土)

福田美蘭展

東京都美術館で開催されている「福田美蘭展」を見てきました。

福田美蘭さんは東京芸術大学を卒業後、現代日本美術展や日本国際美術展への出品など、
実績を積んできましたが、25歳と言う史上最年少での安井賞受賞や1991年のインドトリエンナーレ
金賞受賞、1994年のVOKA賞受賞など、数々の賞を得て活躍しています。

既成概念に囚われることなく、セザンヌの「リンゴとオレンジ」の絵を、デッサンが狂っている、
視点がバラバラだ、軸がぶれているなどと言えるユーモアと批評精神のある美術家です。

図録から一部紹介します。

001  冨獄三十六景 神奈川沖浪裏
葛飾北斎の絵を左右反転したもの。北斎の木版では反転はあり得ませんが、現在の印刷では
ポジフィルムを逆に写す事があります。不思議な絵ですね。

002  道頓堀
この絵は上下二枚のパネルを折り曲げて上部の絵が乾かないうちに下部に写し取っていると言いますが、
それにしては上部の明確な絵に対して、下部はあまりにもおぼろです。

003  ブッシュ大統領に話しかけるキリスト
テロに対する報復を考えているブッシュ大統領を説得できる人はもはやキリストしかいない。

004  噴火後の富士
あの日本の美しい山の象徴、富士山が噴火でこんなにみじめな姿になるなんて。

005  ポーズの途中に休憩するモデル
モナ・リザのモデルも休憩していたに違いない。

006  リンゴとオレンジ
福田美蘭さんがセザンヌの絵を添削しています。
セザンヌの絵を理解する困難さを表していますが、リンゴが不安定な組み方だったり、皿の形が
歪んでいる、水差しの軸がズレている、テーブルの設定が不安定、総じて視点がバラバラだと指摘して
います。

007  聖ゲオルギウス
聖ゲオルギウスが怪物を槍で刺す動きを表しました。

008  秋ー悲母観音
狩野芳崖の悲母観音の子供が現世に送られるのを変えて、母子像として子供を胸に抱き寄せる姿に。

009  アカンサス
東京芸術大学の徽章のアカンサスの葉の渦巻き文様に、福田さんの創作の喜びが表されて
いるようです。

010  山水図
中国の現実離れした山水図にボーイング787を飛行させています。

この他、石膏像に彩色したものや、冷蔵庫の中にアクリル絵の具で描いたもの、天井の隅に掛ける
折れ曲がった絵もあります。

「開ける絵」は二つ折りになった状態で壁に掛けられ、見たい人は自由に開けて見ることができます。
「床に置く絵」では土足で絵を踏む体験をする絵と言う事ですが、できませんでした。

様々なアイディアや試みがあり、絵画とは何かを改めて考えさせられました。
福田美蘭さんは才気煥発な人で、思いついたら何でもやってみるところがあり、少しはらはらしますが、
美術を愛するがゆえに、美術とは何かと絶えず追及している人だと思いました。
願わくは反骨や批評ではない、福田美蘭さんの渾身の絵を見たいものです。

 
この展覧会は9月29日まで開催されています。
 
















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