妙心寺退蔵院の村林由貴襖絵展
日本橋の東海東京証券で開催されている村林由貴さんの襖絵展を見て来ました。
これは京都・妙心寺退蔵院の襖絵となるもので、副住職の松山大耕さんが発案した壮大な
プロジェクトです。
文化財の保護と若手芸術家の育成を目的に行うものです。
現在退蔵院には1600年代の狩野了慶による襖絵が有りますが、損傷が激しく、普段は
取り外して保管しています。
そこで公募によって村林由貴さんを選び、3年間退蔵院に住み込み、修行をしながら絵を
書いて貰います。
ディレクターとして京都造形芸術大学の椿昇教授、技法材料指導者として同大学の
青木芳昭教授、更に製作から完成までを写真に収める写真家、吉田亮人氏などの方々が
プロジェクトに加わります。
すでに村林さんは2011年から約2年、修行と製作に励んできました。
東海東京証券では現在までに製作された習作の襖絵を展示し、併せて製作のための
素材や道具、職人の技なども展示しています。 東海東京証券
襖絵展のチラシ 絵は「龍と鳳凰」
大きなスケッチブック
村林由貴さんは情報デザイン学科卒業で、水墨画は全く経験がなかったようですが、
よほど習作を重ねられたのでしょう、緻密で繊細な絵ですが加えて迫力があります。
以前若手の女性日本画家、田村能理子さんが京都・天龍寺宝厳院本堂の襖絵を描き、
それを高島屋で見ましたが、田村さんはすでに実績があり、タムラレッドと言われる赤を
基調とした独特の宗教的な絵でした。
2013年秋の完成を目指しているようですが、禅宗もお寺も水墨画も全く未知だった
村林由貴さんがこれからどのように成長してゆかれ、どんなに素晴らしい襖絵を
描き上げられるのかと大変期待しています。
東海東京証券 中央区日本橋3-6-2
Tel 0120-746-104
2月17日まで 無料
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